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朝会を有意義にする6つのプラクティスとやってはいけない6つのアンチプラクティス

【追記】アンチプラクティス2:朝会が進捗会議を変更しました。(2008/02/21)


僕は朝会に異常にこだわっているようだ。それは朝会の効果を実感/確信しているからで。
もちろんプロジェクトごとに特性があるから、朝会をしないこともあるだろう。でもそれはあくまで特性を考えた結果であって、「朝会をする」のが普通だ。
というわけで自分なりの「朝会のアンチプラクティス」「朝会のベストプラクティス」をまとめてみる。

アンチプラクティス1:朝会意味なし

「これから毎朝朝会します」で朝会を開くことにしちゃダメだ。間違いなく「朝会意味ない」って2,3日で言われるだろう。
「朝会ではその日のタスクを言ってください」で朝会の説明をしちゃダメだ。間違いなく「朝会ダルい」って2,3日で言われるだろう。
朝会の目的をメンバー全員に理解してもらおう。

アンチプラクティス2:朝会が進捗会議

「では進捗を報告してください」だけの朝会しちゃダメだ。間違いなくいつもの進捗会議を朝やってるだけになるだろう。そもそも進捗を把握したいならリーダーが各メンバーに聞いて回ればいい。全員が集まる必要がない。進捗は誰でもすぐに見られるところ(壁に大きく張り出した紙やWebサイト、共有ファイル)に書いておこう。朝会は対面でタスクや簡単な進捗を言うぐらいでいい。あくまで手短に。リーダーが詳しくメンバーから進捗を聞きだしたければ1人1人聞いて回ればいい。

アンチプラクティス3:タスクが毎日同じ

「今日は実装します」でタスクを宣言しちゃダメだ。間違いなく全員のタスクを聞くことが時間の無駄に思えるだろう。今日のタスクは今日できるタスクだ。ある程度の詳細さが必要だ。目安は30秒。タスクの内容を考えるのはメンバーの「責任」だ。どの機能のどの部分に対して何をして、どんな成果物に何を書くのかを考えるといい。

アンチプラクティス4:朝会で問題解決

問題があるときに、詳しく聞いたり解決方法を考えたりしちゃダメだ。間違いなく朝会が長引くだろう。その問題に関連がないメンバーもいる。そのメンバーにはぼーっとする時間になってしまう。必要なメンバーだけで、朝会のあとに集まろう。

アンチプラクティス5:始業と同時に朝会開始

9時始業の会社で9時に朝会を始めちゃダメだ。間違いなく今日のタスクがあいまいになるだろう。メールを確認したり、今日のタスクを整理したりする時間が必要だ。始業から15分後くらいを開始時刻にする。

アンチプラクティス6:朝会がリーダーの独演場

リーダーが始めて、リーダーが聞いて回って、何でもリーダーがしちゃダメだ。間違いなく朝会が報告の場になるだろう。朝会はメンバーがスムーズに作業する雰囲気を作るもの。リーダーが自分の権威を誇示するためのものではない。

原則:何のために朝会をするのか、全員が説明できるように

アンチプラクティス1の理由は、メンバーが目的を理解していないのに始めているから。
「何のために朝会をするのか」をメンバー全員が理解しないかぎり、必ず朝会は形骸化する*1
原則は「何のために朝会をするのか、誰もが説明できるようにする」ことだ。

目的:チーム(自分自身)がスムーズに作業するために朝会をする

朝会はチームが、自分がスムーズに作業するために開く。立ったまましたりタスクを言ったりすることもすべてそのため。目的に適うなら、プロジェクトによっては座ってやることを選択してもいい。

プラクティス1:朝会を「宣言の場」にする

朝会をあらゆる種類の「宣言の場」にする。決して報告の場じゃない。
朝会の発言はリーダーに報告するためじゃない。チームに宣言してるんだ!

  • 今日のタスク

今日のタスクを宣言*2する。宣言によって小さなプレッシャーと責任を自分にかけることで、スムーズにタスクに取り掛かれる。タスクを30秒ぐらいで説明する。メモなどでタスクは文章にしておくといい。

  • 昨日の実施作業

予定と実作業が異なることは往々にしてある。今日のタスクが昨日と同じになってもおかしいと思われないように。通常はこれを初めに言う。

  • 問題

タスクを進める上で問題があれば、メンバーに助力を求める。適任者がわかれば名指しして、わからなければリーダーに指名してもらう。朝会のあとに詳細を聞いてもらう。

  • 個人の事情

定時で退社する、いつ有給を取るなどもここで宣言する。日本は帰りづらい、休みづらい。言いやすい場を提供することで、メンバーのモチベーションを下げない。この場で宣言すれば、リーダーも「何で休むの?」と言えない。

プラクティス2:全員立ったままで朝会を実施する

有名なプラクティス。会を長引かせない。

プラクティス3:朝会を必ず決まった日程で決まった時間に決まった場所で始める

朝会をすること自体を儀式化する。あったりなかったり、いつやるのかわからなかったり、リーダーが「します」と言わないと集まらなかったりしないように。基本的に全員が集まるのを待たずに時間になれば始める。基本的に毎日開く。15分以内に終える。

プラクティス4:朝会の進行役を毎回変える

朝会がリーダーへの報告ではなくチームへの宣言の場である以上、進行役がリーダーである必要がない。チームビルディングのためにも、チームが運営する。初めの1週間だけ、年長者がやるくらいはいい。進行役を選ぶプログラムを書いてしまうのもアリだ。

プラクティス5:定期的に朝会をふりかえる

ずっとやっているとマンネリ化する。面倒に感じたり意味がないと感じたりするときもある。定期的に朝会をふりかえり、フィードバックして朝会を改善する。どんなプロジェクトにも合う普遍的な朝会はない。朝会で続けていくプラクティス、もうやらないプラクティス、試したいプラクティスを挙げていく。気づいたときにWikiに書き込むようにしたり、ふりかえりの時間をとったりする。

プラクティス6:朝会で感謝の言葉を伝えよう

感謝されて心底嫌がる人はいない。日本人は感謝を伝えるのはヘタだけど、ストレートに伝えよう。チームの雰囲気がよくなる。活躍した人のモチベーションが上がる。

  • 「○○さんの作った△△を自動生成するスクリプトのおかげで、3時間の予定作業が1時間で終わりました。ありがとうございます。」
  • 「昨日私用で早退したのですが、私のタスクを□□さんが完了してくださいました。ありがとうございます。」

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朝会について僕自身が実行していること、やってみようと思うことをまとめてみました。もちろん、この記事自体もフィードバック大歓迎です!気軽に書き込んでいってください!

*1:これはすべての会議に当てはまる

*2:コミットメントだと意味が通じづらいと思ったので宣言にした